物理的な観点から、生物に影響を与えた人物としては、シュレーディンガーがあげられる。もちろん、量子力学で出てくるシュレディンガー方程式のシュレディンガーである。非常に難しい学問の一つ、量子力学の基礎を作ったシュレディンガーであるが、量子力学の発展には、なかなかついていくことができなかったという逸話も残っている。その、シュレディンガーが晩年に書いた本が、「生命とは何か」である。この本で、シュレディンガーは、個々の粒子は、個性を持たないにも関わらず、生物という多様なものが作られるのは、1 mol(6×10^23個)という非常に膨大な数の粒子の確率的な振る舞いが本質であると指摘した。これが、物理的に生物を説明できるという考えの先駆けとなった。ちなみに、この本に影響を受けた当時の若者として、ワトソンとクリック(物理学者)がいる。もちろん彼らは後のDNA発見者だ。
「生命とは何か」も非常にいい本であるが、やや内容も古く読みにくい部分もある。(薄い本なので読むとしたら英語版でもいいだろう。)そのような中で、数年前にベストセラーになった「生物と無生物の間」は、
非常に読みやすい。アメリカでの研究環境の話なども出てくるので、違う分野でも研究者を目指す人にも有用だと思う。同著者の「動的平衡」もいい。
他分野(だと自分が思っている)のことを自分のバックグラウンドをもとに考えてみると思わぬ発見があるかもしれない。
p.s. 佐々木研では、生物物理学が中心ですが、放射光学会、表面化学会、応用物理学会など様々な分野の学会にでるチャンスなどもあります。
