2011年7月28日木曜日

Protein_society@Boston







ボストンで開かれたproteinsocietyにてポスター発表をしてきました。
たくさんの人と意見交換しました。Contactを取りたがる人が結構いて、ポスターにMailAddressを書いておけば良かったなと思いました。

珍しい計測法でみんな興味津々なのか、一時は人だかりができるほどの盛況でした!
鋭い質問をしてくる人もいて、勉強になりました。
説明した後に「cool!!」と言ってくれた人がいたのはうれしかったです

名前しか知らなかった有名な研究者の講演を生で聞くと、その人のmotivationなどが窺い知れて非常に興味深かったです。

空いた時間にハーバードとMITに行ってきました、広い敷地内に大きな博物館があるのは流石!
MITでは研究の様子がガラス越しに見られるところがありました。TEMを使って測定中でした(゚∀゚ )


2011年7月25日月曜日

構造生物学入門

今年も高校野球の季節がやってきた。
各地で熱い試合が繰り広げられている。
試合の数だけドラマがある。
いや、選手、監督、マネージャーなど、関係する人の数だけドラマがあると言っていいかもしれない。

もちろん、科学の分野でも、科学者の数だけドラマがある。

人は、熱いドラマに心を打たれ、強く記憶に残る。
新たな分野を学ぶ時も、ストーリーと一緒に学ぶといいかもしれない。

以下の本は、
構造生物学の基礎を、関連する研究でノーベル賞を受賞した人々のドラマを中心にして解説している。科学者の生い立ちなども書いてあり、楽しめる。


ノーベル賞の生命科学入門 構造生物学の発展 (KS生命科学専門書)

2011年7月18日月曜日

計測法の概要をつかむ

科学は、新規な計測法とともに発展してきたと言っても過言ではないほど科学にとって計測法は重要である。

新たな計測法を考えた人物として、古くはガリレオが挙げられる。
ガリレオと言うと、脈拍で教会のシャンデリアの揺れを測定したという逸話があるが、実はこれは史料に基づいたものではない。

実際に記録に残っている実験としては、斜めに置いた板の上を転がるボールの時間を測定している。その時に、時間を計るのにガリレオが用いたのは何であろうか?


実は、歌である。
合唱団で歌う場合は、毎回、歌うのにかかる時間がかなり正確になる。
それを利用して時間の計測をしたのである。
なんとも原始的に思えるが、当時としてはそれが時間計測の限界であったのだろう。


もちろん現在では、
数えきれないほど多くの計測法が存在する。
そして、強力な計測からは、日々新たなサイエンスが生まれている。
しかしながら、計測法の種類が多いうえに、計測機器はブラックボックス化されているものも多い。計測機器について学ぶのは、特にまだあまり実験に触れていない学部生にとっては大変である。

この本は、ざっくりとではあるが多数の計測法について非常に分かりやすい説明がされている。


なっとくする機器分析 (なっとくシリ-ズ)

2011年7月13日水曜日

第28回PFシンポジウム@つくば国際会議場エポカル




いつもビームタイムでお世話になっている高エネ研PF主催の第28回PFシンポジウムに参加してきました。

佐々木研はというと学生全員(3人だけですが)がポスター発表してきました。

「X線放射圧によるナノ結晶の動的挙動変化」、
「生体超分子不斉光化学反応における錯体内1分子運動計測」
「機能性タンパク質AChBPの一分子回転運動」

という題でそれぞれ発表しました。

ポスター発表終了時なので、写真では人が少ないです。
発表中に撮れば良かった。。。

何はともあれいろいろ議論ができて良かったようです。

お疲れ様でした。

2011年7月11日月曜日

情報の洪水の中から浮かび上がるもの

放射能汚染がとまらない。

放射能という言葉に馴染みのない方は、不安に感じている人も多いだろう。
安全性に関してこれだけ情報が錯綜してしまった原因は、放射線が生物に対して与える影響について分かっていない部分が多いことがあげられる。
生物というのは、未だに科学にとって複雑なシステムであり、一筋縄では理解できない。

だが、放射能という物理現象に限ってみてみると、かなりのことが理解できていると言える。放射能に関する現象は、理論的な数式で表すことができ、現象をその数式でしっかりと説明できる。今回の事故のように、測定機器まで壊れてしまえばお手上げだが、しっかりとデータさえあれば、現在の技術で、怖いほどピタリと現象を予測できてしまうのである。


理論的に良く分かっている現象なのであれば、さぞかし単純だと思うかもしれないが、実は一つの放射性原子を考えるとそうではない。一つの原子がいつ放射線を出すかかというのは、確率的な現象だ。つまり崩壊する確率は分かっているが、いつ崩壊するかは分からないということである。一つの原子の変化を正確に予測できなくても、理論的にかなり正確に予想できるのは、我々のスケールの世界にはあまりにも多くの数の原子があるからだ。膨大な数になれば、統計的に事象をとらえれば、ほぼ完ぺきに近いほど正確に予想できるのである。


さて、我々人間は、実に気まぐれだし予想なんかできそうにない。例えば、交通事故を考えると、事故の数だけ原因があるとも考えられる。たまたま体調が悪かったとか、たまたまその日だけ夫婦喧嘩をしたとか、いくらでも特別な事情があるだろう。しかし、ひたすらデータを蓄えて統計的に見ると、規則性が浮かび上がってくる。どのような道路で事故が起こりやすいか、どんな時間に起こりやすいか、どのような人が事故を起こしやすいか・・・。統計のなせる業である。


インターネットの発達した現在は、情報を蓄え、分析するコストが格段に安くなった。また、クレジットカード、個人情報を登録して利用するサービスなど、情報量も増えた。洪水のように情報が世界を駆け巡っている。この情報をうまく解析すれば、なにか特別な法則が見えてくるかもしれない。あるいは、あなたの知らないうちにあなたの行動を分析されているかもしれない。

この本は、
近年急激に増える様々な統計的手法利用の具体例をわかりやすく示している。
そんなことまで分かってしまうのかということも多い。


その数学が戦略を決める (文春文庫)

2011年7月8日金曜日

第一号

佐々木研第一号の論文がPhys.Rev.Bに掲載されました。

"Laser-induced picosecond lattice oscillations in submicron gold crystals"

2011年7月4日月曜日

フェーズが変わった

「医者になるには、学力が必要だと思っていたけど、違った。医学部に入った後は、学力よりも根性と体力が必要だった。」
医学部の友人がぼやいていた。

人は人生の中で何度も局面の変化を迎える。
若いころの例としては、学校の変化、就職などがわかりやすい。
同時に、時世も変化を続けている。
そして、時にはその変化がものすごく急激に起こる。
現在も、時世が大きく変化している。

時世が大きく変化する時代は、世の中の不安が大きくなる。
人間は誰も、今までと変わるということに抵抗感を示すのであろう。
だが、大きな不安の中に、希望も確かに存在する。
問題は、その希望を大きく膨らませていくことができるかだ。


歴史を考えると日本は何度か、激動の時代を経験している。
その中の一つとして明治維新が挙げられる。
なにしろ、260年以上続いた徳川幕府がひっくり返るのだから、あまりにも大きな変化だ。黒船が現れ、誰もが今の制度ではいけないと感じながらも、一方で当時の常識に縛られていた。そのような中で、当時としてはとびぬけた思考と実行力を持ち、時代を大きく動かした男がいる。坂本龍馬(竜馬)だ。

この本は、徹底的に史料を調べ、現地調査も行ったうえで描かれている。
ソフトバンクの孫正義氏にも大きな影響を与えたそうだ。
変化の激しい時にこそ、読むべき本だと思う。
心を熱くしてくれる。

p.s
佐々木教授は司馬遼太郎記念館で感動したそうです。
司馬遼太郎記念館
http://www.kanzaki.com/docs/htminfo.html

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)

2011年7月3日日曜日

「まあまあ」やってます。

今日は実験2日目@SP8です。今日から高速X線1分子計測に変更です。

本日はM2の大物S君のたんぱく質のサンプルがメインですが。。。

今日も配線ミスやそれ以外でもトラブルがありやっと測定出来たのは午後5時頃。
「まあまあまあ」が口癖のS君が精力的に実験してます。

こんな感じで楽しそうにサンプルの箱を取って、ふた開けて、決めてもらった横顔をいただきました。


「まあまあまあ」と言いながらマイペースに今夜も実験をしております。













まあまあまあ、明日に続く。

2011年7月1日金曜日

兵庫の夜。

今日から佐々木研はSPring8でX線一分子計測です。東京理科大の小園先生と共同実験です。

今回は科学では解明できない!?トラブルもなんとか解決し?もしくはちょっとだましだましですが実験がスタートしました。



右の写真がうまくいってる時の状態、左の写真は小園先生が画像データをチェックしているところ。
すべての機器が動くってすばらしい。

ブログに載せるか迷いましたがトラブル真っ只中の佐々木教授と学生S君です。




そしてまだまだ実験は続きます。