2011年6月27日月曜日

数学にときめく

「趣味は何ですか?」
初対面の相手にする定番の質問である。
学部3年くらいまでは、「趣味」なんて聞かれたって、「俺はいろいろなことをやっているから、ありすぎて簡単に答えられないな」なんて思っていた。
だが、月日は流れ研究生活が始まると、かなりの時間が研究やら勉強やらに費やされるようになる。
すると、ここ最近は研究室と家の往復しかしていないななどということになる。

もちろん、「僕の趣味は研究です」といって研究に打ち込むのもいいだろう。
とはいえ、研究から離れて一息つく時間も必要だ。

「趣味」を持つことはいいことだが、
大学院生にとっては大きな問題が一つある。
「趣味」にはたいていお金がかかるのである。

高校時代の数学の先生が、
将来「趣味」にお金をかけたくなければ、
数学を「趣味」にすることですと言っていた。(何という我田引水(笑))

今となっては、確かにそうかもなと思う。紙と鉛筆と問題があればいいのだ。
世の中には数学嫌いが多い印象があるが、小学校低学年では算数好きの子が多いことからもわかるように、数学はうまく理解できたり、問題に解答できた時の満足度は非常に高い学問だと思う。
ただ、一方で分からなくなってしまった時のストレスも大きい。

数学を「趣味」にするには、教材が重要だ。

以下の本は、
主人公の中学/高校生達がお互いに問題を解きながら学んでいく物語である。
思考の過程の描写も素晴らしいし、全体をストーリーが流れていてそれも楽しめる。
非常に簡単なことから始まるが、物語を楽しんでいるうちにかなり高度なところまで学べてしまう。

理系の人には数学のレベルも上がり一石二鳥の本だ。
現在4冊刊行中。

数学ガール/乱択アルゴリズム

2011年6月20日月曜日

実用的な熱力学

日本の電力不足の現状もあり、テレビを見ていると様々な発電法の紹介がされている。太陽光発電、風力発電程度ならまだしも、中には随分とマニアックな発電法も登場する。それはそれで、面白いアイディアであり、いいのであるが、どう見ても原子力発電の代わりをできるようなものではない。コメンテーターが無責任に、「今はまだ少ない電力しか作れませんが、いずれこのような技術が発達すれば・・・」などと言っていたりする。

理系の立場からすれば、数字を用いた議論をするべきだと思う。その発電法だと、理論的にどのくらいの発電量を得られるのかといったことを議論するべきなのだ。このようなことを考えるときに頼りになるのは、やはり熱力学的な考え方である。

冷房の効率(理論的最大値)を考えるには、熱力学で出てくる逆カルノーサイクルというものをを考えればよい。もちろん、理論的最大値まで効率化することは様々な要因で不可能なのであるが、理想状態の最大値と現状を知ることは、今後の省エネ政策にも重要なことである。暖房の効率はもっと単純に議論することもできる。あるエネルギーをかけて部屋を暖め、(理想的に)無限時間その温度が下がらないのが最大値である。つまり、加えたエネルギーが100%部屋にのこるのが理論的な最大値だ。当たり前のような議論であるが、このことを意識することは重要である。つまり、(ある部屋の温度を一定に保っているとして)単位時間に暖房で部屋に加えているエネルギーは、その時間に部屋から外へ逃げていくエネルギーに等しいと言える。ここで、電気エネルギーを熱に変える効率がもうすでに十分高いとすると、暖房の効率には、部屋の保温性が重要になってくる。例えば、窓ガラスを二重にするとか、保温性の高い材料を壁に使うといった改良法を考えることができるだろう。
実際の現状や、壁の材料を変えるのにかかるコストやエアコンを改良するのにかかるコストなど具体的な数値を入れて計算することができれば、一気に実用的な議論になる。

非常に強力な熱力学だが、大学の講義で使用するような教科書の話題は抽象的すぎるものが多い。この本の著者は、元東大総長で、現在三菱総合研究所理事長の小宮山宏先生である。この本全体に、できるだけ具体例を入れて語ろうという考えが貫かれている。一度学んだが、抽象的すぎていまいちわからなかったという方は、この本の具体例に触れると理解が深まると思う。


入門 熱力学―実例で理解する

2011年6月16日木曜日

第5回 学融合ビジュアライゼーションシンポジウム

「第5回 学融合ビジュアライゼーションシンポジウム」開催のお知らせ


佐々木研も参加している学融合ビジュアライゼーションスクエア主催のシンポジウム「学融合ビジュアライゼーションシンポジウム」が柏図書館で6月24日の午前10時から開催されます。ビジュアライゼーションをキーワードに幅広い分野の専門家を招いたシンポジウムです。ご興味がある方は是非聞きに来て下さい!!

詳しいプログラムはここで見れます。

2011年6月13日月曜日

実験の手引き

大学時代、本音かどうかはわからないが、「白衣を着ている姿にあこがれて、応用化学科に進学した。」と言っている友人がいた。確かに、化学系の実験室といえば、白衣のイメージがある。化学系で白衣を着る理由は、いくつかある。例えば、有機溶媒などが直接服につかないようにするという理由もあるし、火や危険な物質がついてしまった時に素早く脱げるようにするといった理由もある。また、白い白衣をバックにすると、薄い溶液の色も正しく判断できるといった理由もあるようだ。

しかしながら、基本的に物理系では、白衣は着用しない。ひらひらとした白衣のようなものを着ていると、真空ポンプのローラーなどに巻き込まれてしまう危険性があるからだ。「実験」といっても、分野によって異なった常識がある場合もある。

なるべく広い分野の実験知識を知っていると良いだろう。
以下の本は、化学分野と物理分野で標準的な実験知識の本である。
通読するのには向かないが、暇な時にパラパラと眺めてみるといいだろう。
佐々木研にはあまり関係ないが、有機実験の分野では「研究室で役立つ有機実験のナビゲーター 実験ノートのとり方からクロマトグラフィーまで 」という非常にいい本もある。

物理実験者のための13章 (物理工学実験 (1))


続 実験を安全に行うために―基本操作・基本測定編

2011年6月11日土曜日

蛋白質学会


蛋白質学会に行ってきました。非常に有意義だったと思います。
唯一の心残りは最終日のランチョンセミナーに参加できなかったことです。タッチの差でお弁当もらえませんでした。(ノ∀`)

2011年6月10日金曜日

佐々木教授が受賞です。

ちょっと前ですが。。。

佐々木先生がIX European Symposium of the Protein Society@スウェーデン に出席し、見事ポスター賞を受賞されました。その時の写真です。

なんかいつもよりメガネがとってもおしゃれです。

おめでとうございます。

2011年6月6日月曜日

非線形科学の可能性

 筆者が中学生のころの話である。定期テストが近づいてくると、テストに向けての計画を立て始める。あくまで計画を立てるだけで、勉強は始めない。普段は部活動があるからだ。テストの一週間前になると部活動が休みになるから、その一週間が勝負だ。何もしないと、テストは50点くらいしか取れない。テスト前1週間、各科目30分ずつ勉強する。1日の勉強で5点分ずつ実力をアップすれば、テストで85点とれるはずだ。といった計画を立ててテストに臨む。当然、結果は惨敗。やれ追試だ、やれレポート提出だといったことになるのだった。

 人は物事を考えるときに、直線的に考えがちだ。1日の勉強で5点分ずつ実力をアップするといったような考え方がこれに当たる。このような考え方を「線形」という。実際は、学力というのはなかなか伸びない。付け焼刃はなかなか通用しない。テストの点数的にはなかなか伸びないが、勉強をコツコツと続けていく。すると、突然、点数が伸び始める。このように、まっすぐではない現象を「非線形」という。

 「非線形」の本質は、フィードバックのあるシステムである。何らかの作用がおこることで、そのシステムに影響を与えるということだ。例えば、英語を勉強すると、英単語の知識が蓄積されて、どんどん英語の勉強が楽になっていく。

 このように考えると、世の中の現象は、ほとんどすべて「非線形」といってよい。しかし、どうしても人間の理解は「線形」の方がわかりやすい。科学の世界でも、スケールによっては、「線形」近似が非常によく成り立つものも多いため、「線形」で議論されることが多い。だが、研究を進めていくうちに、「線形」では太刀打ちできない問題に出会う可能性もある。

この本は、そんな「非線形」現象について非常によくまとまっている。

新しい自然学―非線形科学の可能性 (双書 科学/技術のゆくえ)

2011年6月3日金曜日

新しいもの

只今SPring-8でおNewの機器の調整しおります。

まだまだいろんなところをバージョンアップして使い勝手を良くして、本来の性能を出してあげないと。。。。先は長いですが一歩ずつということでやっております。



そして今午前2時近くです。

今マイブームはメガシャキです。栄養ドリンク的な飲み物です。メガなシャキなのか目がシャキっとするのかわかりませんが少しだけ元気になれた気がします。今日も飲みました。今晩もなんだかいけそうな気がする。

なかなか仕事の波に乗れないあなたもお試しあれ。